シナリオガイド
幻のギアを敵から取り返せ!
シナリオ名:双子の汽人と幻のギア / 担当マスター:春乃ぽこ
星導都市メトロポリス郊外付近――……
この区域には不釣り合いな金髪でか弱そうな少女、カウリーがうろついていました。
青ざめた顔で、カウリーはぎゅっと目を瞑り、意を決したように隔離地区へと足を踏み入れようとしたその時、誰かが腕を引き止めたのです。
「事情がありそうだな。何かあったのか?」
それは偶然通りかかったジェーンでした。
■□■□■□
数時間前――……
カウリーの屋敷に怪しい男2人組が忍び込んだのです。
「離してっ! カストル!! ポルックス!!」
「カウリー様!!」
その叫び声にカウリーに仕える双子の汽人、カストルとポルックスが慌てて駆けつけました。
「その汚い手を離せ!!」
ポルックスが飛び掛かろうとすると、男は嫌な笑みを浮かべ、汽人化してナイフとなった自身の手をカウリーの首元に突きつけます。
「おっと、動くなよ?」
「くそっ」
カウリーを人質に取られては、カストルもポルックスも動くことができません。
「さぁ、命が惜しくば例の鍵を出せ! お前の死んだ父親の、幻のギアのだよ、くくくっ」
「鍵? 父のギア? そんなもの知りません……」
声を震わせながら答えるカウリーは本当に何も知らないようでした。
一方で、カストルとポルックスはギアという言葉を聞いて、一瞬顔を強張らせます。
そして、その表情の変化を男たちは見逃しませんでした。
「……ほう、お前たちは知っているようだな」
「きゃっ」
そう言いながら、カストルたちを煽るため、カウリーを掴む手に力を入れます。
「カウリー様……!」
「……いいだろう、私とカウリー様とで人質交換だ」
カストルは自身の腕の一部を開けると、歯車の奥に埋め込まれた鍵を男たちにみせます。
「はっ、お前が鍵ってことか!」
しかし、カストルが近寄っても、男はカウリーを離そうとはしません。
「卑怯だぞっ!」
「約束した覚えはないからな、くくくっ」
ずっと見守っていたポルックスが悔しそうに呟きます。
すると次の瞬間、カストルは目にも止まらぬ速さでナイフ化した男の手を蹴り上げると、カウリーをポルックスの元へと投げつけます。
それと同時に、部屋の非常ベルを鳴らしたのです。
ジリジリジリジリ――……
「てめぇ……!」
「鍵があればいい、退却だ」
そう言い、カストルを殴りつけ気絶させると、男たちは去っていきます。
「兄さん!!」
「(た、の、む……)」
動きが制止する直前、カストルは口だけを動かし、ポルックスに訴えると、男たちに気づかれぬようそっとギアストーンを外し、完全に動かなくなりました。
「カストル……!」
泣き続けるカウリーの横で、ポルックスは男たちが去った窓を見つめながら、何かを決したようにカストルのギアストーンを握りしめました。
■□■□■□
「何故か急に眠気がきて……
目覚めた時にはポルックスも姿を消していたんです。
カストルのギアストーンもありませんでした……」
カウリーは一通りの事情と、心当たりがあり、まずはポルックスを探しに来たことを説明しました。
「置手紙の内容が……とても心配で
ポルックスはもしかしたら……」
「その男たちはきっとイーダスとリュンケンスだな。
ギアの悪用で警戒中だったんだ。アタシが助っ人を頼んでやるよ」
こうしてジェーンは、特異者たちにも協力要請を出しました。
同時刻――……
「なんだとっ!!」
カストルの鍵で開けた箱には精巧な造りの弓らしきギアと矢が入っていました。
弓と矢の両方にギアストーンが使用されているようです。
けれども、その肝心なギアストーンがはめ込まれていません。
「……こいつらのギアストーンか」
男は眠ったままのカストルのギアストーンを確認し、ようやく取り外されていることに気づきます。
「くそっ、きっと弟の方だ。いくぞっ!」
担当マスターより
お読みいただきありがとうございます!
今回のシナリオはイーダスとリュンケンスを倒すこと、ポルックスを見つけることが目的です。
【1】イーダス・リュンケンスと戦う
イーダスとリュンケンスは幻のギアを完全体にするため、ポルックスのもつギアストーン2つ(カストルとポルックス自身のもの)を追いかけています。捕まえるより先にポルックスからギアストーンを奪うことを許してしまえば、かなり危険な状態になりますのでご注意ください。
現在は弓に仮のギアストーンを入れて使用しているようです。矢にはどうしても他のギアストーンをはめ込むことが出来ないようで、矢は通常のものを使用しています。それでも、本来の力は発揮できていませんが、かなりの威力があります。気をつけて下さい。
※イーダス、リュンケンスを倒すことに成功すると、眠っているカストルを連れ帰ることも幻のギアを取り返すことも可能になります。
●イーダス
汽人化した自身の身体を巧みに用いて戦闘を行います。
ナイフを身体の至る所に仕込んでいます。
また、風を操るギアストーンを組み込んでいるようで、ナイフの一部を吹き飛ばすことが出来るようです。
基本的に近接戦になり、動きはそれほど速くありません。
ですがどこからナイフが出てくるか分からないため、最初は警戒が必要です。
●リュンケンス
仮のギアストーンをはめ込んだ幻のギアをリュンケンスが使用しています。
現在は火を噴くギアストーンをはめ込んでいるようで、炎を纏った矢が飛んできます。
こちらのギアは通常の弓よりも威力があり、飛距離が長いです。
基本は遠方攻撃となります。ガスや油等を巧みに利用して、威力を増して戦ってくるかもしれません。
また、距離を詰めると、今度はその弓を盾替わりに、矢を剣代わりに用いて戦ってきます。
矢にはギアストーンこそはめ込まれていませんが、こちらも特別な矢で強度がかなりあるので、折るといったことが難しくなっています。ですが、剣と違い矢ですので、近づいてしまえば殺傷能力は低くなるため、攻撃力は大幅に落ちます。
●幻のギア
弓と矢の形をしており、どちらにもギアストーンをはめ込むことができる。
仮のギアストーンをはめ込むだけでも通常のものより、遠くへ飛ばすことができるようです。
しかしながら、矢にはどのギアストーンもはめ込むことが出来ないようで、噂では矢にギアストーンを取り付けると、凄まじい一撃を広範囲に放つことが出来る代わりに、そのギアストーンは1回限りで消滅してしまうとのこと。
また、その矢を使う場合は、弓にも仮のギアストーンではなく特定のギアストーンをはめ込む必要があるようです。
●カストル
一見、人間に見える汽人。双子の兄。
銀髪で青のメッシュが入っている。
脚力があり、かなり速く移動することができる。
矢にはめ込むギアストーンが心臓になっていたようです。
イーダスたちにより負傷し、修復は必要ですが、ギアストーンを外してから数時間しかたっていません。
すぐにギアストーンをはめ込めば、助かるかもしれません。
カウリーとポルックスを大切に思っており、自分を犠牲にしてでも助けたいようです。
【2】ポルックスを見つける
ポルックスはカウリーの亡き父の友人であり、幻のギアを作ったとされる人物に会いに隔離地区へと向かったようです。
その人物の住む近くには巨大化した狂犬の魔物の住処があるとの噂があります。群れで襲い、鋭い牙と爪で飛びかかるとのことです。
また、カウリーたちよりも先にポルックスがイーダスとリュンケンスに見つかってしまえば、ギアストーンを2つとも奪われてしまう可能性もあります。
捜索中に戦闘が発生する可能性が高いので十分に警戒してください。
※カウリーもポルックスを探そうとしていますが、一人で隔離地区を進むのはかなりの危険となります。一緒に探す場合は保護が必要になるかもしれません。
●置手紙
『カウリー様
このようなことになってしまい申し訳ありません。
僕と兄さんのギアストーンがやつらの手に渡れば、カウリー様はもちろん、沢山の方を危険に晒してしまうかもしれません。
こうなってしまった以上、僕たちのギアストーンが存在することは危険です。
けれども、あなたを一人にすることは出来ないので、カストルだけでもあなたの元に連れ帰ってみせます。
今までありがとうございました』
●ポルックス
一見、人間に見える汽人。双子の弟。
銀髪で赤いメッシュが入っている。
腕力があり、かなり重たいパンチを放つことができる。
弓にはめ込むギアストーンが心臓になっているようです。
現在、カストルのギアストーンもポルックスが持っています。
回避能力も高く、戦闘は得意なようですが、主に近接戦タイプのため、遠方攻撃は苦手となります。
特にリュンケンスには分が悪いと言えます。
カウリーとカストルを大切に思っており、兄を犠牲に自分だけが助かることは望んでいないようです。
●カウリー
心優しい少し世間知らずなお嬢様。
幼いころに両親を亡くしており、今はカストルとポルックスだけが唯一の家族であり、とても大切に思っています。
父親のギアの存在は全く知らなかったようで、ギア自体にも全く興味はないようです。
また、戦闘能力はなく、恐がりですがポルックスを追いかけて隔離地区へとやって来たようです。
カストルとポルックスの無事を願い、2人とも助けたいと思っているようで……
・イーダス・リュンケンスと戦う 【現在のMC参加人数:14】
あんな奴らに幻のギアを使わせるわけにはいかないよ! 大変なことになる前に倒さないと!
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・ポルックスを見つける 【現在のMC参加人数:6】
カウリー一人で無法地帯を進むのは危険だ。カウリーを守りながら一緒に探すとしよう!
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