クリエイティブRPG

「お前が人攫いの犯人か！！」

波がよせては返す砂浜に小さな人だかりが出来ていました。
その中央に立っている男性が目の前の生き物に男性が怒鳴っています。

「ごめんなさい！ごめんなさい！」

目の前の生き物は身を守るように背中に背負っている甲羅に引っ込み懸命に謝っています。

「謝ってすむ問題じゃねぇよ！うちの女房をどこへやったんだ！！」

「そうだ！　うちのもだ！！」

「娘を返せ！！」

男性に続いて回りからも怒鳴り声が続きます。

人一人背中に乗っけられるほどの大きなカメはもう一度謝ります。

「本当にごめんなさい！　ちょ、蹴らないでください！　話します！　話しますから！！」

そこへ一人の老人が釣具を持って通りかかります。

「おいおい、それくらいにして話聞いてやったらどうなんじゃ。お前さん、竜宮の使いじゃな？」

老人は問いかけます。

「そうです。おじいさん、竜宮をご存知で？」

カメが甲羅から顔を出します。

「昔ちょっとな。そんなことより何故人攫いなどしておるんじゃ？」

老人が首を傾げて問います。昔はそんなことはなかったのに、と。

「……実は竜宮に悪いカリュブディスという水龍が住み着いてしまいまして、姫を返して欲しくばそれに変わる生贄を容易しろといわれまして。」

「それで女性ばかり攫っとったんじゃな？」

カメの説明に納得したように老人が相槌を打ちます。

「はい。それ相応の美人が好みだそうで。どうせ食べてしまうのに……」

「ふむ、それで今までに連れて行った女性は好みではなかったと？」

老人の言葉にカメが頷きます。

「そうですね、ボク達カメにはあまり人型の美人がよくわからなくって。とりあえず要らないそうなので牢屋に入れてます」

それを聞いた男達が

「うちの嫁は美人だぞ！？」

「うちの女房だって負けてないさ！」

等、口々に言い始めます。

「静かにせんか！　若造どもめ！」

それを老人が一喝で沈めます。

「そういう言い訳でエサを集めとるんじゃよ。賢い奴じゃ。竜宮の使い的にはカリュブディスさえ倒せば皆を帰してくれるということじゃな？」

「そうですね。倒せれば、ですけど。」

カメが頷きます。

「あい分かった。町に戻って兵をあつめてきてやるわい。お前さんは皆を竜宮に連れて行く準備をしておくんじゃな」

老人がカカカと笑いながらその場を去っていったのでした。

今回のシナリオ目的はカリュブディスという名の水龍の討伐となっております。

舞台はワンダーランドの夜。広大な湖の底の城竜宮が舞台です。

ある日突然現れた悪い水龍カリュブディスが住み着いてしまい、竜宮の姫、乙姫をダシにエサとなる人間を集めているのだそうです。

場所は夜の湖の底ですので、息をするすべ及び、水中ならではの戦い方、暗闇の対処が必要になります。

水の中ではカリュブディスは強敵です。兵が集まれば倒せないわけではありませんが、唯一の弱点逆鱗の場所は乙姫が知っていますので昼の竜宮城で乙姫を助けてあげると夜に助けてくれることでしょう。

｛red｝昼の竜宮城は明るく視界は良好ですが、手下のピラニア達がはびこっております。さほど強くはないですが探すのには支障がでることでしょう。

是非、海と町の平和を取り戻してあげてくださいね。



◆カリュブディスについて

　蛇のような体に大きなヒレがついたカリュブディスは頭が良く、乙姫を人質にエサとなる人間をカメに連れてこさせています。
　人語を操り、会話も出来ますが、改心することはまずないでしょう。
　暗闇時の攻撃方法は尻尾で叩きつけたり、大きな口で噛み付いたり、ヒレで叩きつけたりします。
　暗闇を光で照らしてしまうと水魔法で大きな渦潮を発生させ、海から敵を追い出そうとします。
　もちろん水龍ですので炎系の技は全く聞きません。また、水の中ですので電気系も控えたほうがいいでしょう。
　とても強いですが、そこそこ戦闘に長けた方がいればなんとか倒せます。
　体のどこかに逆鱗という弱点がありますので、そこを攻撃すると戦闘が少し楽になるかもしれません。

　
◆手下のピラニアの群れについて
　昼の竜宮のそこかしこを泳いで警備しています。
　攻撃方法は大きな鋭い歯でかみついたり、猛スピードでの体当たりをしてきます。
　体は大人の手のひらほどの大きさなので、１匹では大したことありませんが基本的に１００匹ほどの塊で動いていますので一度の攻撃でも大きなダメージを受けます。
　
　
◆乙姫について
　さらわれた村人１５人と一緒に竜宮のどこかの牢にいます。
　彼女一人で村人の空気を維持するエア魔法を使っていますので広範囲の移動はできません。
　長時間のエア魔法の使用で救出に時間をかけてしまうと全員の酸素がなくなる恐れがあります。一度にどれだけの村人を救出できるかが鍵になることでしょう。
　※乙姫自体は、エア魔法を必要としません。
　村人を全員救出でき、彼女の負荷がなくなれば夜の水龍討伐時に現れ、水龍の弱点の逆鱗の場所に攻撃を当てて弱体化させてくれます。

　
◆老人とカメ達について
　昼の竜宮に乙姫と村人の救出に向かいます。夜は同行しません。
　老人は老人にあるまじき速さで小刀を扱って戦闘をしますが、思いが体についていっておらず、すぐに体力切れで休憩をとりますので援護が必要です。
　カメは広い竜宮で牢屋の場所を把握しておりますが戦闘能力は皆無です。
　ですが、牢屋に到達できたら村人を一人ずつ順次地上に返してくれます。