白雪姫とリーヴェの森の小人たち~黒き魔女の暗躍 編~
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基本情報
マスター:夕季 麗野
ワールド:ワンダーランド
料金
MC参加:100ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:2
文字数追加:不可
シナリオガイド
最終決戦! 皇后と臣下達を打ち倒し、真の平穏を取り戻せ!
シナリオ名:白雪姫とリーヴェの森の小人たち~黒き魔女の暗躍 編~ / 担当マスター:夕季 麗野
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――ローゼ・ヴァイス城、謁見の間。
皇后は、謁見の間に一人佇むと、じっと魔法の鏡の中に映し出される自分の姿を見つめていました。
その瞳に宿る暗い影は深く、宮殿兵たちも彼女に近づくのを躊躇するほどです。
「お、恐れながら、皇后様……」
「何用か?」
「いくらなんでも、王が戻らなくなってから、随分経ちます。――このまま放っておいて良いのですか?」
一人の宮殿兵が皇后の前に膝をつき、進言しました。
王様が他方へ遠征し、白雪姫が城から姿を消してから、早数ヶ月の時間が流れていたのですから、城内の兵達が怪しむのも当然の事です。
統治の全ては皇后任せになっていますし、彼女の強引で自分勝手な命令に、不満を持つ者が絶えなかったのです。
「わたくしは、王の事なら心配要らないと言った筈だが?」
「しかし……。白雪姫様の安否も定かではありません……。この上、王までも不在では――」
「おだまり! お前たちはわたくしの指示に従っていれば良いのだ! それとも、業火に焼かれて骨一つ残さず灰になりたいのかい……?」
「ひぃぃっ……、おっ、お許しください……!」
事態を重く考えた兵が、皇后にいくら申し出ようとしても、それは無駄に終わりました。
彼女の手にかかった兵たちは皆、『洗脳』により自由を奪われ一生こき使われるか、一瞬で命を奪われるかのどちらかしか道がなかったからです。
おかげで、自我の残る兵達の中からは、脱走しようとする者が後を絶ちません。
「あの方は、今日もあの『鏡』の前を動かぬのか……。ご自身の手で、王を地下に幽閉しておきながら……。やはり、彼女があのようになった原因は、あの鏡の存在が一因かも知れぬな」
謁見の間で皇后と宮殿兵のやりとりを遠巻きに眺めていた、デーゲンハルト・フォン・ヴァルトシュタインは、
太い眉を顰めて、真っ直ぐな視線を皇后へと送っていました。
――デーゲンハルトは、皇后の忠臣の一人。
皇后がこの城へ嫁ぐ以前から、彼女の側近として仕えて来た腕利きの剣士です。
「魔法の鏡ねぇー。……確かに強い力は感じるけど、ただそれだけさ。第一、あのボンクラ王が居たトコで、皇后が止められるワケないよ」
一方、デーゲンハルトの隣で詰まらなさそうに様子を窺っていたミュゼリカ・フォン・ヴァルトシュタインからすれば、王様が地下牢に幽閉されている事実など、どうでも良かったようです。
「そんなコトより、ボクは行方不明のプリンセスを迎えに行って差し上げたいケドね」
「命令がない以上、勝手に動く事は出来ぬ。それは知っているだろう、ミュゼ」
「ちぇー……」
「焦らずとも、あちら側から乗り込んでこよう。幾度も宮殿兵を差し向け、小人や護衛達に危害を加えてきたのだ。姫のために、数え切れぬ犠牲も出た――」
「あの心優しいプリンセスは、自分の代わりに誰かが傷つくなんて、堪えられっこないからねぇー」
ミュゼは、くすくすと声を上げて笑い、まるで他人事のように言ってのけます。
彼の金色の瞳には、あからさまな狂気が滲んで、煌いていました。
ミュゼの悪態を見たデーゲンハルトは、深く溜息を吐いて苦言を呈します。
「ミュゼ、くれぐれも妙な気は起こすな。計画は近い内に実行に移される。姫と護衛の者達が城に乗り込んできたら、彼らを迎え打つ」
「はいはい。分かってるよ、にーさん。なら、ボクは地下牢で敵をお迎えしようかな。プリンセスなら、真っ先にパパを助けようとするだろうしさ」
「……お前は、ただ姫が苦しむ姿を見たいだけなのだろうな……。私には理解できぬよ」
「ふふっ……。だってー、プリンセスの泣き顔って、とっても可愛いじゃない……?」
皇后に忠誠を誓い、彼女の命令のまま生きているデーゲンハルトと、自身の欲求のまま白雪姫を傷つけようとするミュゼリカには、それぞれの思惑が存在しているようでした。
■■■■
一方、時を同じくして、リーヴェの森付近の小屋では……。
「行かなきゃ。……もう逃げてばかりじゃいられないんだもの」
「白雪姫、震えてるよ……。本当に大丈夫? 怖くない?」
度重なる危機を特異者たちに救われてきた白雪姫は、彼らに勇気や優しさを貰い、変わろうとしていました。
「――怖いわ。でも、もう決めたの。わたしも、皆さんと一緒に戦うって」
白雪姫の胸には、小さな剣が握りしめられていました。
以前、特異者の一人から託された剣と思いは、彼女にとって大切なお守りです。
仲間がいる、それが彼女を支える一番の武器なのでした。
「わかったよ。でも、白雪姫、気を付けてね。ぼくらにできる事があったら、何でもするから!」
七人の小人たちも、口々に白雪姫を励まし、応援してくれました。
こうして、白雪姫は小人たちに送り出され、皇后と向かい合う決意を固めたのです。
白雪姫の運命と、ローゼ・ヴァイス城の平穏は、実力ある特異者達の戦いに懸かっています――。
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担当マスターより
皆様、こんにちは!
本シナリオを担当させていただきます、夕季 麗野です。
『白雪姫とリーヴェの森の小人たち~孤高の森の主編~』の続編、『黒き魔女の暗躍 編』をお送りいたします。
今回のシナリオは、白雪姫を守りつつ、皇后の臣下たちと戦って勝利し、最終的には諸悪の根源である皇后を打ち滅ぼすことが目標になります。
シナリオ進行上、特に問題が発生しなければ、白雪姫の物語は今回で最終章にしたいと考えています。
王様を助け出し、白雪姫が再びお城に戻れるように、皆様の知恵と力を貸して下さい。
尚、続き物ではありますが、今回が初めての方でもご参加できますので、宜しければ奮ってこの最終決戦にご参加下さいませ。
その際、お手数ではございますが、夕季が以前書いたシナリオにちらりとでも目を通していただければ、より内容が把握しやすいかと思います。
以下、各パートごとの説明をさせていただきます。
①【VSミュゼ&王様を救出する】パート
白雪姫と共に隠し通路を通って、王様が囚われている地下牢へ向います。
このパートの場合、特異者達を待ち構えている敵は、様々な攻撃魔法を操る「ミュゼリカ・フォン・ヴァルトシュタイン=(通称・ミュゼ)」と、その手下の宮殿兵となります。
彼は白雪姫に屈折した執着心を抱いているため、あらゆる手段を使って姫に危害を加え、傷つけようと目論むでしょう。
皆様には、白雪姫をミュゼの魔の手から守りつつ戦っていただくことになります。
最終的に、ミュゼを倒して王様を牢獄から救い出せば目的達成となりますが、
白雪姫に危害が及んでしまったり、姫がミュゼの手に落ちるような事態となった場合は、残念ながらジ・エンドです。
尚、ミュゼは若いながらも優れた魔法使いです。
中でも得意なのが『水』と『風』の魔法。
対象目がけて鋭利な氷刃を高速連射したり、激しい突風や水流を巻き起こして動きを封じようとしてきますので、
こちらも魔法に対する知識や対処法を持っているのが理想です。
宮殿兵を盾にし、遠距離から魔法を詠唱するミュゼに近づくのは中々難しいので、皆様のチームワークとアクションが鍵になります。
②【VSデーゲンハルト】パート
謁見の間へと続く広間で、特異者達を待ち構えているのは「デーゲンハルト・フォン・ヴァルトシュタイン」と、上級宮殿兵(少数精鋭)たちです。
デーゲンハルトは、剣の実力は勿論、武術にも長けた強敵です。
二~三名で連携を取る、または遠方射撃を行う……など、可能な限りデーゲンハルトの死角をついてから攻めこむと安心です。
彼と共にいる上級兵士に囲まれて不利にならないよう、気を配りつつ戦って下さい。
上級兵たちはそれなりに腕の立つ兵士ですが、特異者の皆様であれば多勢に無勢にならない限り(一対一で)、充分対処可能です。
③【VS魔女と魔法の鏡】パート
王様を地下牢に閉じ込めた上、白雪姫を殺そうとしている諸悪の根源・皇后との直接対決です。
皇后の繰り出す『炎』魔法、『精神支配』の魔法は強力です。
炎魔法は、遠距離から火炎弾や熱風で攻撃するものから、火の壁を作りだして自身の身を守るものまで、多彩な種類があるようです。
精神支配の魔法は、文字通り、対象の精神を自分の意のままに操る洗脳術です。
洗脳されると自力で解く事が難しいので、予め対処法を用意しておくと被害を最小限に出来るでしょう。
①パート同様、魔法に対処する知識や技量があると戦いやすくなります。
加えて、皇后はミュゼの師でもありますので、ミュゼと同じく『水』、『風』の魔法を使う可能性もあります。
皇后の傍にいる複数の護衛兵たちは特異者を妨害すべく動きますので、彼らに足止めされない事も肝心です。
上記の通り、今回は全てに戦闘要素があり、どのパートも重要な意味を持っています。
お持ちのスキル・装備を良くご確認の上、参加パートとアクションを考えて下さい。
皆様の渾身のバトルアクション、お待ちしております!
●NPC紹介
・デーゲンハルト・フォン・ヴァルトシュタイン
腕利きの中年剣士。ミュゼリカの腹違いの兄。
皇后に忠義を誓っており、彼女の為ならどんな命令にも従うが、基本的に指示された以上の行動は取らない。
剣には絶対の自信を持ち、優れた腕前を持つ剣客との真剣勝負を求めている。
常に冷静沈着で、滅多な事では感情を表に出さない無骨な男。
・ミュゼリカ・フォン・ヴァルトシュタイン
皇后直伝の魔法を操る少年。愛称はミュゼ。
デーゲンハルトの腹違いの弟。
白雪姫に歪んだ恋情を抱いており、彼女に執拗な嫌がらせをする事が生き甲斐。
少女のような愛らしいルックスをしているが、直情的でワガママな性格。
・皇后
魔法の鏡の力に魅了され、言われるがまま白雪姫を城から追放した人物。
王の事は愛しているが、何より自分が一番でないと気に食わない為、白雪姫を庇おうとした王を自らの手で地下牢に幽閉した。
美と権力に関しては、人一倍貪欲な魔女。
・VSミュゼ&王様を救出する 【現在のMC参加人数:7】
・目的
王様は地下牢に監禁されている。早く救出に向かおう。
・動機
白雪姫の案内で、隠し通路から地下牢へいくぜ。王様を助ける為に、邪魔者を排除する。
・手段
ミュゼの野郎に氷刃で白雪姫を狙い撃ちされないよう、しっかり護衛しながら戦わないとな……。
彼女に万一の事があったら、ここに来た意味はない。
姫の安全さえ確保できたら、こっちからも仕掛けさせてもらうから、覚悟しておけ。
魔法はオマエだけの専売特許じゃないんだって事、教えてやるぜ。
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・VSデーゲンハルト 【現在のMC参加人数:4】
・目的
デーゲンハルトや宮殿兵たち相手に戦うよ。
・動機
同じ剣士として、強敵とは一度手合わせしてみたいな。
・手段
謁見の間に近づくためには、広間にいる臣下をどうにかしないといけないんだよね。
デーゲンハルトは強いみたいだけど、みんなで協力して少しずつ弱らせていけば……!
宮殿兵が襲ってきたら、そいつらとも戦うことになるだろうから、回復やサポートの手段があれば、万が一のときも安心だね。
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・VS魔女と魔法の鏡 【現在のMC参加人数:8】
・目的
とにかく皇后を止めましょう!
・動機
王様を監禁して好き放題。白雪姫も辛い目に遭いました。許す事は出来ません。
・手段
魔法が強力なのは分かっていますし、洗脳はやっかいですから、要注意です。
周りの護衛は全部蹴散らして、皇后に近づく隙を狙います。
直接武器さえ届けば、皇后は肉弾戦に向いてないでしょうから、なんとかなるかもしれません。
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