シナリオガイド
自警団に入って勇者を目指せ!
シナリオ名:勇者の条件 / 担当マスター:天ノ土竜
「ここがユグドラシルか……」
特異者の保科儀 和人(ほしなぎ かずと)は調査としてロワンドという小さな町にやって来ました。
樹冠都市ティンガネスの周辺に点在する商業地の一つで大小の飛空挺の発着場があり、交易等の商売は盛んですが、あまり治安が良いとは言えません。
ユグドラシルが再生へ向かう混乱に乗じて、よからぬ行為を働く者は後を絶ちません。
とりあえず町の様子を眺めながら歩いていると
「お兄さん旅の人? 良いお店あるよ」
と人懐っこそうな少年が声をかけて来ました。
「オレ、チアルフ。なんでもわからないことがあったら聞いてくれ」
「ありがとう。オレの事は、カズトって呼んでくれ」
すると向かった家の中から叫び声と物が壊れる音がします。
「こんな小汚い店で飲み食いしてやっただけでも感謝しな」
酔っぱらったならず者の二人連れの男らが、支払いも無しに店から笑いながら出て行くところでした。
「待ちなさいよ! あんたたち!」
金色のロングヘアーを一つに束ねた気の強そうな女性が男らを追いかけようとしました。
「やめなさい、レスクワ!」
他の者が女性を止めていました。
チアルフも駆け出しそうになるのを保科儀が止めました。
男らの武装がとても危険そうに見えたからです。
するとマントを羽織った一人の男がその男達の前に立ちました。
「なんだ? お前……」
言葉が終わらないうちにマントの男が腰の剣を抜いて峰打ちを与え、鈍い音と同時にならず者は二人とも地面に崩れ落ちました。
マントの男は屈み込むと、「飲食代、出しな」と低い声で言いました。
マントの下の男の胸の位置には何かの自警団の紋章が縫い付けてありました。
「『グラープス』のラーダッドさんだ!」
チアルフが嬉しそうに叫びました。
ならず者らは金を置いて慌てて逃げ去りました。
店はチアルフの両親と姉のレスクワが出している小さな飲食店でした。
でも文句をつけてお金を支払わないならず者も多く、客同士で乱闘になることもあるそうです。
「ラーダッドさんは『グラープス』という自警団のリーダーで、ジグムントの元片腕だったっていう噂なんだよ」
「……ジグムントの元片腕?」
話を聞きながら保科儀は一瞬、怪訝そうな顔をしました。
ジグムントはユグドラシルでは有名な人物です。こんな片隅の町にジグムントの関係者がいるとはとても思えません。
そういう超有名人と関わりがあることを触れ込むのはよく聞く話ですが、チアルフは信じているようでした。
「オレが自警団のメンバーになれたら、あんな奴ら店に寄り付けなくしてやるんだ……!」
チアルフは悔しそうに唇を噛みました。
チアルフと保科儀がそんな会話をしているのをラーダッドはニヤニヤしながら聞いていましたが、
「本当に店を守りたいのなら、来るが良い」と、建物の壁を指差してチアルフにそう告げて立ち去っていきました。
そこには「自警団『グラープス』入団テスト」のチラシが貼ってありました。
「オレ、これやってみる! カズトも一緒にやろう!」
「一緒に受けるのは構わないけど……」
保科儀が言いかけると、レスクワがものすごい形相でチアルフを叱り飛ばしました。
「あんたなんかラーダッドさんの足手まといになるだけよ!」
そして保科儀のことも睨みつけます。
「テストを受けに行って帰ってこなかった人もいるの! 余計な事しないで!」
そう言い放つとレスクワは店に戻りました。
船が着く度に大勢の客が一気に来るのでレスクワは店から離れるわけにはいきません。
レスクワが離れると、チアルフはため息をつきました。
「ねーちゃんは絶対ダメって言うから面倒なんだ。カズト、ねーちゃんを説得してくれよ」
「うーん……」
自警団テストはとても難しそうですが、チアルフの姉の説得も同じくらい困難に思えました。
自分の仕事としてもっといろいろ詳しい調査も行わなければなりません。
でも、チアルフの顔は真剣そのものです。
保科儀は誰か手を貸してもらえないかと特異者に呼びかけることにしました。
担当マスターより
よろしくお願いします、天ノ土竜です。
入団テストは廃船を利用して行われます。
何らかの原因でバランスを崩し、港外れの迷宮内の大枝に斜めに引っかかった古い商業船の周辺には、まだ武器や貴重な宝石の類いが散らばっていると思われています。
ただその迷宮近くには巨人の姿が目撃されています。
またヴァイキング崩れのならず者も宝を横取りしようと襲ってきます。
それらを退けて宝を見つけ出して持ち帰るというのがテストなのですが、最後にラーダッドとの対戦が待ち構えています。
チアルフはレスクワに反対されても入団テストを受けます。
保科儀は調査員としてはまだ新人で、実戦の経験はほとんどありません。
でも体格だけは大きく、一応ベルセルクのアバターで強そうに見えます。
保科儀はレスクワの手伝いをしながら町の調査に関わります。
・保科儀と共に姉のレスクワの店の手伝いをする 【現在のMC参加人数:2】
レスクワの気持ちもよくわかります。
チアルフのことを心配しているのでしょうから、お店を手伝ってレスクワの本心を聞いてみたいです。
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・独自に腕試しでテストを受ける 【現在のMC参加人数:5】
自警団のメンバーに挑戦するというのも面白いな。
今の自分の実力を試す良い機会かもな。
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・チアルフと共にテストを受ける 【現在のMC参加人数:3】
チアルフの願いを叶えてあげたい。
でも入団テストはかなりハードそうだから、チアルフに戦い方をアドバイスしつつテストのクリアを目指そう。
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