シナリオガイド
生き残れ、奈落の歌声が彩る星見!
シナリオ名:命懸けの星見 / 担当マスター:夜月天音
【湖の街】ラクスの爽やかな朝。
「今夜は星が良く見えるね。何か星見を広場で開催して唄をみんなに披露したい気分」
「唄って音痴だからやめた方が……」
二人の15歳程のアーライルの少女達が何事かを話していました。
「リリアン、言わなくとも分かってる。ちょっと音痴な事ぐらいは。でも今日は調子がいいから歌いたいの。だから、人集めてよ。あたしは準備しておくから」
ウキウキ顔のアーライルは軽く文句を言った後、友人に重要な任務を任せて会場の準備に向かいまいした。
残されたリリアンは
「……分かってない。音痴程度がちょっとじゃない事。頑丈な耳栓が出来るのは三日後だし……普通の耳栓だと一週間は耳が聞こえなくなるし……人集めと言ってもここに住んでいる人はカヤンの音痴を知っているから逃げるし……となると行きずりの人を捕まえるしかない。美味しい食べ物を強調して少しだけ音痴だから耳栓がいると言って耳栓が無いようだったら配ったりとか……はぁぁ、気が重い」
世界最後のように滅茶苦茶に落ち込んだ顔をし、足取り重く友人の頼みを果たしに動きました。
リリアンは予定通り音痴程度に嘘を吐き人集めを敢行しました。その間に星見の話が町中に広がり、カヤンの音痴を知る者達は皆慌てた様子で街から一時避難をしてしまいました。
そんな中、
「……あの人から聞いた歌声が聞けるなんて運がいいな。建物が崩れたり植物が散ったり萎れたりとか魔物も気絶させたり狂わせたりとかするらしいけど、どれほどの威力なのか確かめなきゃ。誰かに頼んでお手伝いを頼もうっと。急いで良い耳栓を用意しないと」
偶然この地を訪問した12歳程のアーライルの少年が楽しそうにするなりこっそりと人集めを始めました。本当にただの好奇心なのか何かの企みを抱いているのかは不明ですがカヤンの歌を楽しみにしているのは確かでした。
とにもかくにも時間は流れとうとう運命の夜が訪れました。
夜、広場。
空に輝く満月と星々は空だけでなくあちこちの水面にも映り込んでいました。広場にはたっぷりの飲食物が置かれたテーブルや椅子が用意されていました。
「皆さん、集まってくれてありがとー。まずは皆さんと綺麗な夜空のために歌うよ。少し音痴で聞き苦しいかもしれないけど聞いてね♪」
会場を見渡せる位置に立つカヤンは愛らしい笑顔を集まった者達に振りまいた後、ゆっくりと唄を紡ぎ始めました。
少し音痴ながらも美しい唄が満ちると思いきや奈落の底から響いてくるような腹に来る唄とは思えぬ唄が空気を伝わり町中に満ち、水面は激しく振動し、植物の葉や花が散ったり萎れたり倒れたり建物がわずかに崩れたりととにかく地獄絵図化していました。心無しか美しい夜空が泣いているようにさえ見えたり。
そして、その発生源にいる者達は
「……(来た、耐えろ自分、皆さん、騙してごめんなさい)」
気が遠くなりながらリリアンは、普通の耳栓をして自分を奮い立たせ耐えつつ騙す形で巻き込んだ客人達に謝っていました。腹に来る重い音に気分を害したり気絶や気が変になる者や飲食した物を嘔吐する者もいたりと酷い有様でした。
一方、カヤンの唄が始まる少し前の裏通り。
「集まってくれてありがとう。もう一度説明するね。僕はリック。唄がどれほどの影響を与えるのか調べて欲しいんだ。もし唄を記録してくれたり星見に潜入してくれるならお願いするよ。でも星見に参加している人には気付かれないようにしてね。その理由は僕の親しくしている人に怒られるから。活動の目的はその人の助けになるかどうか知りたいから」
リックは集めた人達に勧誘の際にした説明をもう一度してから
「唄から完全に守る耳栓を渡すから付けてね。会話も遮断されるのが欠点だけど」
耳栓を配布して終えると同時に街の散策開始となりました。
その頃の星見会場。
一曲目が終わり地獄から解放されたと思いきや
「二曲目、歌うよ♪」
カヤンは素敵な笑顔で言いました。
担当マスターより
今回のシナリオは久しぶりのアルテラが舞台となります。
楽しいラクスでの無料飲食と少しの音痴の歌付星見と思いきや少しの音痴ではなく地獄の歌声という騙されての参加や少年の頼みでラクスのあちこちを巡り歌の影響を確認したり皆を救うために何かしら芸をしたり全力で客を演じても構いませんので存分に星見を楽しんで下さい。
【活動について】
(星見側)
真実を話し人集めが失敗する事を恐れたリリアンがカヤンの歌について少しの音痴程度の説明と耳栓を配布しかしていないため持参アイテムやスキルなどでひたすら堪え忍ぶ星見を楽しんで下さい。ただ、リリアンが配布する耳栓はカヤンの歌の威力で今夜限りの耐久しかありません。
(唄の影響調査側)
唄だけでなくそれ以外の音も完全に遮断する耳栓を利用出来るためカヤンの唄の影響は受けませんが、影響を受けた建物や生き物のとばっちり(窓ガラスの破片飛散、どこからか来た魔物の襲撃に遭うなど)を受ける事はあるかもしれません。
(行動開始はカヤンの一曲目の唄が終了し二曲目開始前からとなります)
・芸をする
カヤンの唄から皆を救うために芸をしても構いません。カヤンに申し出ればすぐに交代出来ます。芸については歌でも踊りでも演奏でも何でも構いません。
少しでも空き時間が生まれるとカヤンは盛り上げるために歌おうとします。ただし、声を掛ければ残念そうにしながらもやめます。
・観客
用意された飲食物や持参した物を食べたり飲んだりして楽しんで下さい。もちろんカヤンの唄にも頑張って耐えて下さい。こちらでの参加であるリリアンは気を失いかけています。
・唄の影響調査
カヤンの唄の影響を調査して下さい。どこもかしこも酷い有様です。唄の影響で気が狂った獣や魔物が呼び寄せられたり崩れる建物に巻き込まれたりなどがありますので警戒しつつお願いします。または夜のラクスをのんびりと散策したりリックに何かしら訊ねても構いません。言える範囲で答えるかと思います。
※遭遇したい惨状がありましたらアクションに記載をお願いします。
【カヤンの音痴について】
音痴というレベルではなく地獄の使者が口ずさむような恐怖の唄です。耳栓無しで聞くと耳栓有りよりもダメージが深刻になります。歌っている本人は当然平気です。
音痴な方や趣味嗜好が特殊な方など無事な方もいるかと思いますが、それ以外の方は何とか耐えて下さい。
※ダメージについてはガイド本文以外にもあります。希望のダメージがありましたらアクションに記載をお願いします。
【NPCについて】
・リリアン
カヤンの歌に辟易しながらも付き合う思いやりを有しているが、必要ならば平気で嘘を吐いて人を騙すが胸中では申し訳ないと思う優しい子です。
・カヤン
音痴レベルを少しだけと勘違いしている上に何かある度に歌おうとする歌いたがりの賑やか大好きで周囲に迷惑を掛けています。勘違い持ちですが、悪い子ではありません。自分の唄によって変調をきたす人達に対しては小首を傾げるばかりです。そのため他者が音痴を直そうとするのは大変かと思います。
・リック
カヤンの歌声に興味を持つ少年です。歌えない訳ではありませんが彼自身歌う事よりも聴く事が好きです。
・芸をする 【現在のMC参加人数:11】
何とか一曲目を堪え忍んだところで皆をこの地獄から救うためにとっておきの芸をするよ。まずは素敵な歌を歌って星見の仕切り直しをするよ。それから賑やかにジャグリングでもしようかな。
「今度は自分が歌わせて貰うよ!」
ダメージ:一瞬だけ気が遠くなる
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・観客 【現在のMC参加人数:3】
食べ物とか飲み物とか用意されてると聞いて来たのにとんでもない歌を聴かされたよ。聞いた話と違う。少し音痴と言っていたけど少しどころじゃないよ。何か少しの間だけ意識失って花畑が見えて前に亡くなった大好きなお婆ちゃんが手を振っているのを見た。
何とか復活してもテーブルに突っ伏したままから動けないよ。
「……何か気分が悪くなって……貰った耳栓してるのに……あぁ、花畑が……ずっと前に亡くなったお婆ちゃんが手振ってるぅ」
ダメージ:死の旅に出そうになる
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・唄の影響調査 【現在のMC参加人数:5】
月や星が輝く素敵な夜なのに凄い有様だなぁ。耳栓しているから体調変化は無いけど会話のやり取りが出来ないのが不便。手振りとかでするしかないかな。出来れば開始前にサインを決めたい。調べながらリックに聞いてみよう。リックが言う「あの人」とかについて。
「……こんなデカイ木が倒れているとは……耳栓外したらヤバイぞ。星見に参加しなくて良かった」
惨状:樹木が倒れ植物が萎れまくっている
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