クリエイティブRPG

　コルリス王国の西。湖の町・ラクスから海へと続く川縁に、小さなアーライルの集落があります。
　ラクスより流れる清らかな川と、山に囲まれた自然豊かなその集落では、今、一つの問題が発生していました。

「生死にかかわるほどではありませんが、やはり、『あれ』がないと……」

　集落の長が、ほとほと困り果てた、といった表情で肩を落とします。
　『あれ』というのは、山と山の狭間にある谷で採取される花の蜜のことです。
　アーライルはその美しい歌声が最大の武器です。歌を歌う、ということは少なからず喉に負担がかかります。
　その喉の調子を整えるために、この集落では谷にある花畑で花の蜜を採取し、お茶に入れたり、ケーキのシロップに混ぜたりして摂取しています。

　しかし、最近になって、その花畑にキラービーの大群が住み着いてしまったというのです。

「相手がデモニスならば、まだ対話の余地があったのかもしれませんが…奴らは言葉も何も通じません」

　女王蜂であるクイーンビーが花畑の中央にある大きな木に巣を作ってしまい、それ以降、蜜を採取しようとするとキラービーたちが容赦なく襲ってくるというのです。
　谷に咲く花の蜜は周辺の花の蜜よりも芳醇で、なおかつ効能も高いということで集落のアーライルたちとしては、なんとしても取り返したいと考えています。
　何度か集落のアーライルたちは蜂たちに挑みましたが、あまりにも大群で手に負えず、腕の立つ冒険者に依頼をしに、あなたたちの元へ訪れました。

「どうか、あの蜂たちを追い出してください」

　集落の長は、深々とあなたたちに頭を垂れました。

はじめまして、ＧＭの星積　椿（ほしつみ　つばき）と申します。
『三千界のアバター』での初シナリオとなります。どうぞよろしくお願いいたします。

このシナリオの目的は「花畑に巣食ったキラービーを追い払うこと」です。
キラービーはクイーンビーの指揮の下、花畑に侵入するものを容赦なく襲います。
クイーンビーは花畑の中央にある木に巣を作って陣取っており、キラービーを一掃するには、クイーンビーを倒し、巣を破壊する必要があります。
キラービーは大群ですが、無限に沸くというわけではないので、ひきつけて時間を稼ぐ役とクイーンビーを倒しに行く役とで手分けすると有効的でしょう。

なお、花畑や木がだめになっては元も子もないので、炎系の技を使う際は細心の注意を払ってください。
小さな火でも、燃え移れば大惨事になります。