――ワールドホライゾン 広場
広場には、今年も
ミリアムと
ギリアムによって巨大なクリスマスツリーが立てられていました。
しかも今年は例年に比べとてつもなく大きいものが広場の中央に据えられています。
その根元に、お手伝いに来ていたユーラメリカにあるデルタシティの市長、
アイゼン・ハワードが立っていました。
新生デスクライムや児雷一門との決戦が迫っていますが、
寸暇を惜しんでクリスマスの盛り上げに来ています。
アイゼンはパーティ会場に集まっていた皆を集め、特に説明もせずこの場所に連れてきたのでした。
「皆さん、よく来てくれマシタ!」
よくわかっていない皆を前に、アイゼンは開口一番そんなことを言うと、
勢いよく上を指さしました。
「今年のクリスマスは、ツリーをclimbingしてもらいマス!」
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一方その頃、パーティ会場では、ミリアムが会場の飾りつけをしていました。
「ふふふ~ん。楽しい楽しいクリスマス~」
ミリアムは鼻歌を歌いながら部屋中に飾りつけをしていきます。
キッチンからはいい香りが漂い、パーティの準備は着々と整っているようでした。
「ミリアムねぇさ~ん! 大変ニャ~!」
そんなミリアムへギリアムが駆け寄ってきました。
「どうしたのギリアム?」
「料理が全然足りニャいニャ!」
どうやら料理を作っていたところへ
『クリスマスにリア充爆発しろ戦線』略して
『CRBS』なる秘密結社が現れ、
料理を食べるだけ食べて去っていったそうなのです。
「このままじゃパーティが開催できないニャ……」
「私は飾りつけで忙しいし、ギリアムに料理は無理だし……」
「オレがお手伝いを探してくるニャ!
パーティの危機なのニャ―!」
ギリアムはそう言って会場から走り去っていきました。
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クリスマスツリーの前で固まっている皆を見て、アイゼンは不服そうに頬を膨らめました。
「ツリーの中には宝物が隠してあるワ! ちょっと危ないけど、みんなで探して欲しいノヨ!」
宝物とはいったい何なのか、ちょっと危ない、はどのくらい危ないのかそもそもなぜツリーを登らなければならないのか。
謎は深まるばかりでしたが、そんなことはお構いなしにツリーを登る人影がありました。
「別に行きたかないが、CRBSに“アイゼン市長の宝物(下着)、絶対取ってきてくれ”って頼まれちまったからなぁ……」
下で見上げるばかりの人々をよそに、驚異的なスピードでツリーを登る一人の男性特異者は、あっという間に三分の一ほどを登り切り、
葉の生えた枝の中へ突撃していきます。
そして数秒後
「あびゃびびび!!」
謎の悲鳴を上げ、ツリーから“キャンディの姿”で落下してきました。
その直後、どこからともなく現れたミリアムは、キャンディと化した男性特異者を拾い上げます。
「えへへ~、スイーツメーカーの新しい技、考えちゃった……!」
そう呟いたミリアムはそして笑顔で両手を上に掲げます。
「キャンディ・スプラッシュー!」
その姿勢のまま、ミリアムがそう叫ぶと、両手から謎の光線が放たれ、
ツリーの周囲にいた人々が次々と様々な色の飴玉の姿に変わっていきます。
「ちょっと痛いかもだけど、綺麗だから許してねっ」
ミリアムが飴玉になった人々に向かい、右手の人差し指軽く動かすと、なぜか飴玉はするすると動き出します。
そして、同じ色の飴玉が三つ横に並ぶと。
「いっけー! スプラッシュっ!」
派手なエフェクトを飛ばしながら爆発しました。
爆発した飴は人間に戻るようで、飴があった場所には、三人の男女が気絶していました。
「やっぱきれいだねー! ちょっとむごいけど!」
「さ、戻ろっと! まだまだ準備頑張らなきゃ!」
「じゃあナンで来たノ?」
首をかしげるアイゼンを背に、ミリアムは気絶した三人と飴玉になった人々を残して、さっそうと去っていきました。
「さて、いろいろあったケド、登るも登らないも自由ヨ!
でも、宝物はとっても素敵な物になるはずダワ!
楽しい楽しいクリスマスの始まりネ!!」
今年のクリスマス、あなたは誰と何をして過ごしますか?