第一世界『アルテラ』
第一世界『アルテラ』

Illustrator : KOTA

アルテラ概要
■アルテラとは

アルテラは三つの大陸と大小多数の島々によって構成され、人間と亜人が共存している幻想的な世界です。
三つの大陸はそれぞれ

・西の大陸『オキデンス』
・中央大陸『ロディーナ』
・東の大陸『オリエンティア』

と名づけられています。

各大陸には強い影響力を持つ大国があり、オキデンスのコルリス王国、ロディーナの神聖エテルナ帝国、オリエンティアのグラナート同盟は「アルテラ三大列強」と呼ばれています。

・オキデンス大陸
アルテラの西部にある緑豊かな大陸です。
アルビオン渓谷を国境に、三大列強の一つであるコルリス王国が南側を、エルフの国であるウェンディールが北側を治めていました。
ウェンディールは特異者たちが訪れる20年前に「デモニス」と呼ばれる好戦的な亜人の侵攻を受け、荒廃してしまいました。
現在ウェンディールに残っているエルフはごくわずかであり、実質的な領土と呼べる土地はほとんどありません。しかし、国境はデモニス侵攻前のままとなっています。
コルリス王国は、当時の王国軍がアルビオン渓谷でデモニスを食い止めることに成功し、現在も繁栄しています。

・ロディーナ大陸
アルテラの中央に位置する、最も広大な大陸です。
かつては大小様々な国家が存在していましたが、神聖エテルナ帝国によってその大部分が併合されました。
帝国には皇帝直属の神聖騎士団と、帝国軍という二つの戦力があり、前者はわずか十人しかいません。
神聖騎士は一人一人が小国の軍隊に匹敵するほどの精鋭であり、他国の軍隊はおろか帝国軍の者にすら畏怖される存在です。

・オリエンティア大陸
アルテラ東部の大陸です。
他の二大陸に比べ険しい地形が多く、人間が生活するには過酷な環境となっています。
それゆえ住民のほとんどが亜人であり、種族ごとに都市国家を形成しています。
三大列強の一つであるグラナート同盟は、それらの都市国家が中央大陸の神聖エテルナ帝国と対等に渡り合うために結成した都市同盟です。
アルテラ全体の文明は、地球における10世紀~15世紀のヨーロッパの文化が入り混じったようなものとなっています。
しかしアルテラの特徴として、銃器類がまだ発明されていないことが挙げられます。
神聖エテルナ帝国では実用的な武器としての研究が進められていますが、主要な遠距離武器はアルテラ全土で弓矢となっています。

また、この世界には魔法が存在しています。
アルテラの魔法は、「自然界に存在する元素(エレメント)に干渉することによって、何らかの現象を引き起こす」というものです。それを行使するために必要な力が「魔力」と呼ばれています。
魔力そのものはアルテラの人間・種族のほとんどに備わっていると考えられていますが、魔法を扱える者はごく少数です。
そのため、魔法使いを重用する国は多いです。その一方で、彼らを恐れ、忌む者も少なからずいます。
■アルテラの魔法体系

アルテラにおいて魔法に必要な「元素」は、色で表されます。
火、風、水、土、光、闇の六つはそれぞれ、

火→赤
風→緑
水→青
地→黄
光→白
闇→黒

となり、上記六つが「世界を構成する基本要素」とされています。
六元素を初めて体系化した“純色の魔女”ルーミリアによる魔法理論の序文には、

――世界が生まれる前、そこは虚無でしかなかった。
 虚無にゆらぎが生まれ、青が生じた。
 青の中から黄が生じ、黄の元素によって生まれた大地に緑が生じた。
 緑は生命を育み、赤が生じた。
 やがて世界は白に照らされ、その影に黒が生まれた。
 世界を成すは六の色。

 この世界で起こり得る全ての事象は、
 それらの働きによって生じるものである――

とあります。

現在では、六元素の融合によって生み出されたであろう、どの色の特性を持っているとも言い難い「物質(鋼、あるいは灰色)」を第七の元素に。
世界が生まれる前に存在した「虚無(無色)」を第八の元素として理論に当てはめられています。
ただし、第七元素は“鋼の魔女”、第八元素は“色なき魔女”のみが自在に操る事ができるとされています。

アルテラで魔法使いを志す者はこれらを基礎として学びますが、魔法使いでなくても有識者や各地の貴族が「教養」として学んでいる事も少なくありません。

魔法は一見万能そう見えますが、「世界を構成する元素に干渉する」という性質上、アルテラに存在する自然法則に反する事を行う事は不可能とされています。
つまり、「死者の蘇生」や「時間の巻き戻し」のような“奇跡”は起きない、という事です。
魔法使いたちの最大の目標は、この奇跡を可能にする――世界の“真理”に到達し、アルテラの法則を塗り替える事にあります。
つまり、「神域」へと至り、アルテラの全てを知る事が彼らの悲願なのです。
あくまで「知りたい」という渇望から来る者なので、魔法使いには求道者的な性質を持った者が多くなっています。

現在、その領域に達した者は、魔法使いの祖とも言われる最初の魔女“純色の魔女”ルーミリアだけであると言われています。

★魔法使いの階級

アルテラ魔法使いには、各国が定めた基準に基づく階級が存在します。
ほとんどは世界各国で共通していますが、国によっては独自の階級を設けている場合もあります。
正規の手続きを経た魔法使いは、実力に応じた位階を手に入れる事となります。
また、正規以外の手続きで力をつけた者(独学や公的機関を通さずに魔法使いになった者)に対し、「魔導師級」「賢者級」といった具合に、その者の熟練度の指標としても用いられます。
魔法使いの総人口はアルテラの総人口の一割にも満たないと言われていますが、その大部分は最初の階級である『魔導師』となっています。
階級は魔導師から始まり、

上級魔導師→賢者→大賢者→色賢者

となります。
このうち「宮廷魔導師」は、賢者と同位階とみなされることが多いようです。
また、色賢者とは六元素のいずれかの色を極めた者の階級であり、青賢者、赤賢者などと呼ばれます。
階級表では色賢者の方が大賢者よりも上位となっていますが、総合的な魔法使いとしての実力は同列であるとされています。

なお、魔導師の階級はあくまで「元素への干渉能力」「術式構築能力」「魔法体系の理解度」といった魔法使いとしての資質に関わるもので判断されるため、必ずしも階級が高い者が戦闘にも長けているとは限りません。
■アルテラの種族

アルテラには、人間以外にも様々な知的種族がいます。

・エルフ

人間よりも遥かに長命で、美しい容姿を持つ種族です。
見た目には人間とほとんど変わりませんが、特徴的な長くとがった耳を持っています。
アルテラのエルフの平均寿命は、人間の7~8倍程度となっています。二十歳くらいまでは人間と同じように歳をとりますが、青年期が非常に長く、数百年に渡ります。
「風」に親しく、風の声を聞くことができると言われています。

エルフ

Illustrator : 朝梟

・セリアン

アルテラにおける獣人です。
持ち合わせている特徴によって様々な種・民族に分かれていますが、共通しているのは陸上で生活している動物という点です。
そのため、「土」に親しい種族でもあります。

セリアン

Illustrator : mic

・アーライル

鳥のような翼を持つ種族です。
多くが女性であり、しかも清楚な美人という種族的な特性があります。また、美しい歌声を持ち、彼女たちの「唄」には神秘的な力が宿るとされています。
「水」に親しい種族であり、水辺を好んで集落を形成します。

アーライル

Illustrator : mic

・デモニス

好戦的な亜人の総称で、「魔族」を意味しています。ゴブリン、オーク、トロールなどが含まれ、その種族的気質ゆえにデモニス同士でもしばしば争います。
総じて「闇」に親しい種族ではありますが、必ずしも「悪」ではありません。
古の時代には、「魔王」と呼ばれる強大な力を持った者が、魔族を統率していたと伝えられています。

デモニス

Illustrator : もりさわともひろ

コルリス王国
コルリス王国

Illustrator : KOTA

■概要

アルテラ西部にあるオキデンス大陸の南半分を統治する大国です。
王都にある大樹「ルメナス」を国の象徴としています。
この大樹は王国の伝説に登場する守護神が宿っていると信じられており、神聖視されています。
建国以来安定した治世が続いており、都市部の治安は非常に良いです。
その反面、緑が豊かであるがゆえに様々な動植物が生息しており、獰猛な野生動物(魔獣)も少なくありません。
都市間には距離があるため、街道には旅宿が設置されています。旅人にとっての憩いの場ですが、盗賊に狙われやすい場所でもあります。
そのため、傭兵が雇われている場合がほとんどです。ごく稀に、旅宿の主人が凄腕の戦士ということもあります。

正規の軍事力としては、四つの兵団で構成される王国軍があります。
第一兵団が王都、第二兵団が北の国境、第三兵団が東の港町、第四兵団が西の港町に駐兵しています。
それ以外の各都市には、王国軍は常駐していません。直轄地以外の都市は、自治権が認められているからです。
そのため、独自に自警団を結成したり、傭兵を雇ったりして治安維持に努めています。無論、王国軍が一切関与しないというわけではなく、必要に応じて協力しています。
このような体制になっているため、旅人が町の傭兵を務めて旅費を稼ぐことは珍しくありません。
■主な地域

●【王都】ケントルム
王都ケントルム

Illustrator : KOTA

コルリス王国の首都。
数万人を擁する大都市です。大陸の丘陵地帯に位置し、その中でも最も高い位置にコルリス城があります。
城の離れに造られた荘厳な庭園は「コルリスの空中庭園」と呼ばれ、そこにある一本の大樹『ルメナス』は城下のどこからでも見ることができます。
●【交易都市】ステイティオ
交易都市ステイティオ

Illustrator : KOTA

コルリス王国最大の商業都市。
王国の各都市間を結ぶ要所(中継地点)に位置しているため、王国一の交易都市として繁栄しています。
表の大通りは様々な物品の取引で賑わっており、昼間はほとんど人波が絶えることはありません。
裏通りには怪しげなマジックアイテムや非合法な物品の取引を行う闇商人がおり、都市の自治会は手を焼いています。
●【湖の街】ラクス
湖の街ラクス

Illustrator : KOTA

純粋なアーライルが数多く暮らしている、湖上に造られた水上都市です。
美しく幻想的な街並みから、「水の楽園」と呼ばれています。
音楽をこよなく愛するというアーライルの種族特性から、コルリス王国においては「音楽の街」として有名です。
酒場や街の広場から唄や演奏が止むことはほとんどありません。
●【森の集落】シルヴァニア
森の集落シルヴァニア

Illustrator : KOTA

コルリス王国の北方に広がる森林地帯サルトゥース。その中にあるセリアンたちの集落です。
王国に帰属しているものの独自の文化を持っており、住人の許可がなければ入ることすらできません。
サルトゥースとシルヴァニアの境目には森の番人が潜んでおり、不用意に近づけば警告を受けることになります。
ここまで他種族に対して排他的なのは、ここがオキデンス大陸におけるセリアンの聖地であるからです。
決してこの集落の住人が他種族を嫌っているわけではありません。その証拠に、シルヴァニア出身のセリアンは王国各地で活動しています。
●【北の渓谷】アルビオン
北の渓谷アルビオン

Illustrator : きこ綾巳

コルリス王国と旧ウェンディール国との国境であり、古くからエルフが住んでいる土地です。
古の時代に「勇者」が「魔王」を倒した地でもあります。
ウェンディールはエルフの国でしたが、20年前に好戦的な亜人であるデモニス(魔族)の侵攻を受け、荒廃してしまいました。
現在、旧ウェンディール領に残っているエルフはごくわずかです。
デモニスはコルリス王国へも侵攻しようとし、このアルヴィオンで激戦が繰り広げられました。
現在は【コルリスの紅き雷】ルキア団長率いる王国軍第二兵団と、【風に愛されし者】アレクシード率いるエルフの戦士たちが国境警備に当たっています。
●【東の港町】ポルタ
東の港町ポルタ

Illustrator : KOTA

コルリス王国のあるオキデンス大陸東部の港町です。中央大陸ロディーナとの貿易船が行き交う、王国への窓口となっています。
アルテラの造船技術が発達したのはここ200年以内の事であり、それ以前は大陸間を安全に行き来する事はできませんでした。一部の魔法使いと種族によって、辛うじてそれが可能となっていたのです。
現在は海の魔獣に襲われる危険を除けば、ほぼ安全な航海が可能となっています。
神聖エテルナ帝国
■概要

中央大陸ロディーナの約三分の二を治める帝国です。
建国から100余年と、アルテラの国家の中では比較的新しい部類に入りますが、他国の追随を許さない高度な魔導技術を所持しており、それを利用して国を発展させてきました。
強大な軍事力を保有しているものの、意外な事に他国と直接的な戦闘が起こった例は少なく、併合された国の大部分はすすんで帝国への恭順を示しています。
“色なき魔女”エレオノーラによる統治が行われていますが、彼女は帝都ノウス・テンプルムの大聖堂におり、帝国の祭事を除いて人前に顔を出す事は滅多にありません。
一時期は実在を疑われた事もあるものの、神聖エテルナ帝国100年祭の折に人前に現れ、その存在感を示しました。
しかし彼女は帝国の象徴としての色合いが強く、現在の実質的な国家の運営は帝国元老院によって行われています。

帝国の軍事力としては、エレオノーラを守護する直属の神聖騎士団と、国防に従事する帝国軍の二つの戦力が存在します。
前者は帝国建国に貢献した十騎士にちなんで十席で固定されていますが、第四席が建国後ずっと空席となっており、席が全て埋まったのは100年祭の直前だったとされています。
帝国軍は帝都で訓練を受けた正規兵と、属州が独立していた頃に保有していた旧軍隊で構成されており、両者の間には大きな隔たりがあります。
末端の兵士の中には帝国の権威を笠に着て、属領の民衆に対し理不尽な圧力をかけている者もおり、広大な領土を持つがゆえの弊害も出てきています。
■主な地域

●【帝都】ノウス・テンプルム
「地上の楽園」と呼ばれるほど治安も景観も優れている帝国の首都です。
最新の魔導技術が各所に導入されており、文明水準はアルテラの他国の数百年先を行く、とまで言われています。
『大魔導帝国』とも称されるエテルナですが、その理由は上述の魔導技術の他、帝都ノウス・テンプルムにアルテラ全体の約3割の魔導師を抱えているという点にあります。
研究施設も設備も豊富なため、魔導師にとっては申し分のない街となっています。
この街は幾重にも重なった結界で守られており、通常は自由に出入りする事ができません。
入るには元老院が発行している許可証が必要となっており、その発行条件が厳しいために、帝都を訪れる行商人はごく少数です。
帝都内に常駐する戦力は、10人の神聖騎士と、わずか100人の帝国軍正規兵士のみです。
しかしロディーナ大陸では、10万の軍勢をもってしても、帝都を落とすのは不可能だと言われています。
●【砂の町】サンドレア
ロディーナ大陸西部に広がる、広大な砂漠地帯にある町です。
オアシスの町であり、元々はサンドレア公国という国の首都でした。
武闘派が多く、帝国領でありながら帝国軍の兵士が一切駐留していないのが特徴です。そのため、自治領という扱いとなっています。
これはかつて帝国に帰属する際、条件として「帝国軍を駐留させない」事を提示し、納得させたためです。
公認の闘技場があり、腕っ節に自信がある者はここで戦いに明け暮れています。
闘技場で常勝を誇っている者たちの多くは魔人を筆頭とした高位のデモニスとなっています。
また、この闘技場には「魔法や魔器は一切使用してはならない」というルールが存在しています。
帝国に帰属しながら帝国と一定の距離を置くことが許されているのは、純粋に武を極めた者は魔導師にとって脅威とみなされているからであると言われています。
●【水上都市】アルトルーク
アルテラ最大の内海、ネプティア海の海上とその沿岸一帯に広がる水上都市です。
コルリス王国の湖の街ラクスに近い雰囲気がありますが、こちらは音楽よりも「大道芸」が盛んで、様々な旅芸人が自身の芸を披露しています。
かつてはアルトルーク王国として隆盛を誇っており、帝国に併合されるまでは「中央大陸一の海洋国家」でした。また、亜人(アーライル、セリアン、デモニス)も多く暮らす他民族都市でもあります。
ネプティア海は海の巨獣と言うべき「海獣」の巣窟でしたが、アルトルーク人たちはそれを手なずけ、一帯に国を築きました。この海獣はアルトルークの武力であり、また市民への「見せ物」でもあります。
旧アルトルーク王国は帝国の歴史において唯一の「神聖騎士を殺した国」であり、それゆえ帝都を除き、現在最も強い支配を受けている帝国領となっています。
帝国の支配に対し反発している者もおり、特に税負担の大きい商工業ギルドの中には秘密裏に反帝国勢力と繋がりを持っている者が少なからず存在します。
リヴァージュ共和国
■概要

中央大陸ロディーナの西海岸沿いに領土を持つ共和制国家です。
かつてはリヴァージュ王国という歴史ある王制国家でしたが、十年前の革命によって共和制へと移行しました。国土はそれほど広くないものの、中央大陸において神聖エテルナ帝国と対等な立場にある唯一の国家となっています。
アルテラの中でも工業が発達しており、特に刀剣類と鎧に関しては「リヴァージュの名工の手にかかればただの鉄も虹鋼になる」とまで言われるほどです。
また、港町ロアンを中心に喫茶・飲食文化も発展しており、酒場だけではなく「オープンカフェ」や「レストラン」が数を増やしつつあります。

リヴァージュでは、西にマーレ海、東に広大な砂漠地帯という土地柄、それぞれに面した沿岸警備隊・国境警備隊が共和国軍と並ぶ戦力となっています。
マーレ海は一時期よりは減ったものの未だ海賊がおり、砂漠には盗賊がいるだけでなく様々な魔獣が生息しているため、必要に応じてそれらに対処する必要があるのです。
また、現大統領のブルーノは、少数の魔導騎士から成る特殊部隊の指揮権を持っており、彼自身も“革命の英雄”と讃えられる魔導騎士でもあります。
■主な地域

●【首都】リベルタ
リヴァージュ共和国の首都です。
内陸部に位置し、王制時代の様々な建築物が今なお残っています。
大統領官邸も、かつて王宮だった施設を改装したものとなっています。
共和国議会や、共和国軍本部といった主要施設の多くは、このリベルタに集約されています。
●【港町】ロアン
中央大陸ロディーナの玄関口となる港町です。
アルテラの喫茶文化の先駆けとなった町であり、料理の味に定評があります。
王制時代は貴族しか口にする事ができなかったケーキ類も、カフェの普及によって庶民も口にする事ができるようになり、高価ながらも人気を博しています。
また、アルテラ屈指の職人街もこの町の中にあります。
グラナート同盟
■概要

アルテラの三大陸の中で、最も古い自然が残る大陸オリエンティア。
そこに存在する都市国家が組んだ同盟が、グラナート同盟です。
オリエンティアはセリアン発祥の地といわれており、それらの都市国家は各部族ごとの集団によって成り立っています。
また、西部大陸、中央大陸のセリアンの多くは人間に近い姿をしていますが、オリエンティアに生活する者の多くは動物寄りの姿をしています。
同盟は都市国家代表による合議制によって運営されていますが、会議の取りまとめを行っているのは「クーザ」「カタン」「アッツァー」の三つの都市国家です。
これらの代表はいずれも武闘派であり、“三獣士”という呼び名でアルテラ中に知れ渡っています。

自然と共に生きるグラナートの民で魔法、とりわけ体系化された術式を扱える者はごくわずかです。
しかし、元素と共に生きる彼らは、「自然に敬意を示す」ことで、無意識の内に元素に働きかけている者が少なくありません。それゆえか、高い魔法耐性を持っています。
グラナート同盟の成人男性はほぼ全員が高い戦闘能力を持つ「闘士」と言っても過言ではなく、険しい地形である事も相まって、大陸の外から攻め込まれた事はありません。
かつては都市国家間での小競り合いこそありましたが、グラナート同盟としてまとまってからは、都市国家間の対立は減りました。
とはいえ、オリエンティアにある全ての国家が同盟に加入したわけではなく、独立を貫いている国家も存在しています。

なお、セリアンだけではなく、デモニスや古代種族の血を引く者たちの集落も存在しているといわれます。