三千界のアバター

木漏れ日の中で2

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木漏れ日の中で2
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プロローグ


 心地よい春風に揺れる木々。
 緑と緑の隙間から温かな木漏れ日が憩いの場を照らしている。
 けれども目につくのは壊れたボートやブランコ、破れたハンモックなどだ。
 こんなに穏やかな春風や木漏れ日があるのに、憩いの場はすっかり荒れ果ててしまっている。

「今年もまた憩いの場でのんびりしようと思っていたのですが困ったことになってますね。お手伝いしますよ」

 駆けつけたシルノ・フェリックスウォークス・マーグヌムたちが修繕作業の手伝いを申し出る。

 どこを見ても悲惨だが、ポツリと一つ、何とか生き残ったハンモックが揺れていた。

「よしっ」

 それを見つけたウォークスは1、2歩下がると、助走をつけ、その揺れるハンモックへとダイブする。

 ハンモックにウォークスの身体はフィットしたかに思えた。

「なんだ、まだ乗れるじゃないか」

 しかし、ハンモックに揺られるのもつかの間、ミシミシと嫌な音をたて始めたかと思えば、みるみる破れていた個所から穴は広がり、ドシンと大きな音が憩いの場中に響き渡る。

 一見まだ乗れそうに見えたハンモックだが、これも他のと同様、壊れかけていたのだ。当然、破れかけのハンモックで大柄なウォークスの体重に、ましては助走まで付けた勢いに耐えきれるはずもない。

「うっ……駄目だった。腰が痛い」

 ウォークスが落ちると同時に持ってきたホットチョコレートが下敷きになり、嫌な溶け方をしてじわじわと地面に広がっていく。

「大丈夫……きゃっ」

 その音に駆けつけたセリアンたちやシルノは小さな悲鳴を上げる。

 思いがけず落ちた勢いで発動してしまった【パージビート】で首が取れてしまったようだ。さらには溶けたチョコがまるで血溜まりのように見え、そこはもはや事件現場であった。

「だ、誰か……俺の首を拾ってくれ」





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