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格付けちぇっくin穢土2017

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格付けちぇっくin穢土2017
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 〈格付けちぇっく、始まるよ〉

 新年を迎えためでたいある日……。

「急な誘いにも関わらず、来てくれてありがとうな!」
 真戸茂稲荷の境内に演台を設け、白陶が挨拶した。
 その傍らには独特の風貌をした妖たちと、金弦と咲が立っている。
 咲に抱かれている桃蘭は興味津々の様子であちこちをきょろきょろ見回している。
 演台の前には赤布を被せた立派な腰掛けがいくつも用意されていた。
「今から『格付けちぇっく』てのを始めるぜ。遊び方は簡単だ。俺がお前たちに穢土の常識を問うから、それに答えるだけでいい。お前たちは、今『穢土格付け一流特異者』としてここにいる。全問正解すれば豪華な正月のもてなしがお前たちを待ってるが、外したら……」
 白陶の目がキラリと光る。
「外した数に応じてお前たちの格付けが落とされ、もてなしもどんどん質素になっていく。ついにひとつも正解しなかった奴は……仕置き部屋行きだ! ……さて、始めるにあたって俺の独断と偏見でお前たちを組分けさせてもらった。悪いが異論は聞かねぇ」
 白陶はそう言ってニッと笑うと、特異者たちの名前を順に呼び始める。
「人数が人数なんでな、敬称は省くぜ」
 こうして、格付けちぇっくのチームが発表された。

 単独その壱
  九曜 すばる

 単独その弐
  桐ケ谷 彩斗

 単独その参
  辻岡 真

 (なぜか)単独その肆
  古川 瀬里
  地下アイドル
  古川 遊佐

 第壱組
  ジェノ・サリス
  ウリエッタ・オルトワート

 第弐組
  月音 留愛
  風狸
  葛葉 祓

 第参組
  小山田 小太郎
  双葉 和博
  金弦

 第肆組
  水谷 大和
  リューネ・シャイン
  玉ちゃん

 第伍組
  四柱 狭間
  AGAPERIA・GLUTTONICS
  地蔵野 一郎

 第陸組
  迅雷 敦也
  ガンカメラマン
  迅雷 火夜
  迅雷 沙耶
  迅雷 剣太
  咲

 第漆組
  安藤 ツバメ
  松永 焔子
  地蔵野 二郎

 第捌組
  ウォークス・マーグヌム
  日長 終日
  弥久 佳宵
  あっくん

 第玖組
  卯月 浩人
  穢夷巫女
  紋河 冬花
  猩ちゃん

 第拾組
  北 信景
  テレサ・ファルシエ
  桃蘭

 名前を呼ばれた特異者たちは順に赤布敷きの腰掛けに座る。
 そんな中、エドワード・バリーはさりげなく会場から離れようとしていた。
「あら、船長様はご参加下さらないのですか?」
 咲が問うと、エドワードは小さく手を振り断る。
「俺はそこのガキの御目付役で来てるんでな、高みの見物と洒落込ませてもらうぜ」
 そうは言ったものの、彼の目的はまた別にある。
 こうした催し物の場には、流れの物盗りなどの不届き者がつきもの。
 彼は和博たちの楽しみを台無しにされないよう、神社の周りを警戒しようとしているのだ。

 一方、浩人と共に訪れていた大華 桜もまた、格付けちぇっくの舞台裏に回る。
 彼女の手には、浩人に託された「お仕置きグッズ」が……。
「とりあえずはお仕置きの準備ね。ま、何かあっても【救急セット】と【治療術】、【〈治療〉1】で対処出来るし……起きない事を祈るけど」
 いやいや、彼女は悟っているはずだ。
 あの浩人が、受ける予定のない仕置きの用意などするはずがないと……。

 桜と同様に、ウォークスに付いてきたメイドロボメイド、更には信景と一緒に来ている舞姫魔縁も、舞台の裏手に回り着々と仕置き部屋の支度に取り掛かった。

 信景と組む事になったテレサと顔なじみのは、心配な面持ちで物陰からテレサを見守っている。
 それは心配にもなるだろう……
 信景と共に来た者たちが意気揚々と仕置きの支度をしているという事は、つまり信景の真意は……そういう事なのだから。

 そこに……
「あの……明けましておめでとうございます……って、あれ? これは一体……?」
 【いとをかしき甘味】をお年賀に、黒杉 優が真戸茂稲荷を訪れたのだ。
「おー、優じゃねぇか。いいとこに来たな! お前も入れよ!」
 優を見つけた白陶が彼女の腕を掴み、格付けちぇっく会場に引きずり込む。
「私は久しぶりに白陶さんにご挨拶をしに来たのですが……えっ、何なんですかこれは!? かくづけちぇっく!?」
「ああ、そうだ。面白そうだろ?」
「白陶さんっ、私はただご挨拶と【いとをかしき甘味】を届けに来ただけですよ!?」
「まあそう固い事言うな。仕置き部屋行きを懸けた面白勝負、お前も楽しんでいけって」
 お年賀は渡しそびれるわ格付けちぇっくに加えられるわ、優はワタワタと視線を右往左往させた。
「強引に入れられても勝手が分からないだろう。俺たちの組に入るといい」
 慌てる優を見かねたジェノが手招きする。
「ありがとうございます……」
「まあ、一流を目指すと言うより常識問題のようだからな、本気で回答しているなら間違う筈もない」
 ジェノに簡単に説明を受け、優はほんの少しだけ落ち着きを取り戻した。
「なるほど……と、とにかく正解すればいいのですよね。ガ、ガンバリマス……」

 こうして格付けちぇっくの幕が切って落とされた、のだが……
「第一問から第三問までは各組の代表者に答えてもらう。単独の奴は自ずと自分が答えることになるが……」
 白陶は名簿を顔に近付けたり離したり。
「ったく、近頃老眼が進んで見えづれぇったらねぇな……えーと、解答者はすばる、彩斗、辻……辻斬り……?」
「辻斬りなんかしてない、辻岡だ!」
 真が鋭い訂正と共に優雅に立ち上がった。
 しかし……
「ブフッ!」
 会場のあちこちで参加者の吹き出す声がする。
「……大真面目な割にはふざけた顔だよな……」
 白陶も笑いを堪えている。
 真は【変装セット】を駆使し鼻メガネで素顔を隠しているのだ。
「めでたい正月だ、初笑い大いに結構。さて、次は……くそっ、字がかすんで……」
「あーもう白陶、それじゃいつまでたっても始まらないでしょ!」
 業を煮やして司会者の演台に乱入したのは瀬里だ。
「おい瀬里、お前何やって……」
 瀬里と一緒に来た遊佐が止めようとするが、瀬里はそれを遮った。
「遊佐兄はこっち来ないで! ていうか何で真戸茂村まで私にくっついて来たかなー!?」
「少なくともお前みたいに暴走目的じゃないことは確かだ!」
「あーはいはい、じゃ遊佐兄は単独ぼっちでよろしくね! ほらほら白陶、名簿貸して!」
 瀬里は白陶から名簿を強奪し、解答者を読み上げようとするが……
「瀬里、名簿逆さまじゃねぇか!」
 白陶のツッコミが早々に炸裂した。
「私としたことが、『やっちまったなぁ!』だね! テヘペロ!」
 ペロリと舌を出す瀬里に地下アイドルはヒューヒューと指笛を鳴らすが、遊佐はげんなりとため息を吐く。
「言っとくけど今年の俺は『ぼっち』じゃないからな! ていうか、何なんだよこのカオスなオープニングは……っ!」
 開始早々しっちゃかめっちゃかだが、「格付けちぇっくin穢土2017」、開幕である!

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