三千界のアバター

譚奇といれこょち

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譚奇といれこょち
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 零――むいたこれふお

「なに? チョコを食べて雑談するイベントだと?」
 イースト・キャピタルにある公園で訓練をしていたジェノ・サリスは、ラクスの唄姫からその話を聞いて光の騎士剣を無に戻した。神聖エテルナ帝国で白の魔導騎士として認められたジェノは、アルテラ以外の世界での形成の訓練を行っていた。本来の力を発揮できない異世界で巨大な剣の形成を行うことで、白の元素への親和性、ひいては形成の力を上げようと様々な世界で訓練を繰り返しているのだ。
「それは良い。天使の力も借りているが、流石に疲れる。休憩がてら参加させてもらおう」
 ラクスの唄姫にイベントの場所を聞いたジェノは、彼女に案内されて『えふかといれこょち』へと向かった。

「美味しそうに出来ましたね」
『えふかといれこょち』の厨房で、アルバイトの邑垣 舞花は冷蔵庫からチョコレートを出して店長である藤井 都古(みやこ)に見せる。
「どうですか? 都古さん」
「上出来さね。店に出しておくれ」
「分かりました」
 舞花はチョコが並んだバットを持って店に出ていく。エフカ・アーニャも彼女に続いた。
「本当に美味しそうですね。味見……したいなあ」
 味見するだけでも血の効果が出てしまうということで、2人とも未実食のまま手伝いを続けていた。
「してみますか?」
「でも……」
 悪戯っぽく聞いてくる舞花に、エフカは迷いを見せる。視線を感じて振り返ると、都古が厨房から顔を出して笑みを浮かべていた。
「食べてもいいよ。何を話したくなるか判んないけどね」
「えー、だけど、コイバナなんですよね?」
 なばいこ、と言うのが面倒臭くて、そのものずばりエフカは訊く。
「ああ、多分ね」
 腕を組んでにやにやとしている都古を見て、エフカはむぅという顔になった。それから無念そうに、舞花のチョコレート制作キットも利用して作ったチョコを見下ろす。
「や、やめときます……」
「恋話といっても、色々ありますよね。6種類の恋話……楽しみですね」
 平皿にチョコレートを並べながら、舞花は言う。お年頃のエフカも、今日のイベントは楽しみだ。
「うん、素敵なコイバナが聞けるといいなあ……」

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