三千界のアバター

廃校舎と屍の賞金稼ぎ

リアクション公開中!

廃校舎と屍の賞金稼ぎ
基本情報

マスター:沢樹一海
ワールド:セフィロト
 
 

料金

MC参加:200ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:4
文字数追加:不可

スケジュール

2015年06月15日公開!

シナリオガイド

カレラノ イルベキダッタ バショヘ

シナリオ名:廃校舎と屍の賞金稼ぎ / 担当マスター:沢樹一海



※※本シナリオはMC参加ポイント「200ポイント」のプライベートスペシャルシナリオです。※※




 大きな革袋の中からどさり、と落ちてきたそれを見て、中年女性は顔を強張らせました。
「どうだ? 間違いないか?」
 息を止めてしまったかのように、思考不能になってしまったかのように。
 目を見開き震えている女性に、乱藤 陸は言います。彼の表情は、冷たくもなく熱くもなく、淡々としていました。
「……………………」
 問いを受けた女性は、陸を見て口を開きます。
「わ……わたしは……私は……」
 絶望に染まっていた女性の顔が、突如、仇を見るような鬼の形相になりました。
「元気な娘の顔が見たかったのよ! こんな……こんな姿を見るくらいなら、見つからないままの方が良かった!」
 感情のままに言葉を叩きつける女性でしたが、陸は寸分の動揺も示しませんでした。
「間違いないんだな。条件成立だ」
 そうして、手の平を出します。それを、恨みを込めた苛烈な瞳で睨みつけ、女性は手に持っていた分厚い封筒を投げつけてきました。中に入っていた金銭が辺りに散乱します。
「金の為なら、人の気持ちなんて無視するのね!!」
「…………」
 それには応えず、陸は無言で落ちた封筒と金銭を拾います。全てを拾い終えると、彼は「毎度あり」と言って女性に背を向けました。家を出るまで、殺気とも言える気配がその背には注がれ続けていました。

                 ⇔⇔⇔⇔

 ――革袋に入っていたのは、屍鬼の死体でした。イーストキャピタル郊外にて陸が見つけたものです。流血帝国とレジスタンスの戦いの中で死んだのかもしれません。
 陸は、このセフィロトに住まう賞金稼ぎです。セフィロトでは、行方不明になる住民も多く、屍鬼にされた者、魔獣に殺された者、自ら行方を晦ました者、それは様々ですが、彼はその中でも、屍鬼にされた者を対象に仕事をしていました。捜索依頼が出されている者達の顔を写真に撮って持ち歩き、イーストキャピタルの辺境で屍鬼を探しています。
 見つけた『対象者』は、その殆どが死んでいます。殺され、使い捨ての道具のように打ち捨てられたそれを革袋に入れて持って帰り、もし『対象者』が生きていたら、殺して革袋に入れて持って帰ります。『人数』が多かったらトラックに乗せて、やはり持って帰ります。
 それを依頼者の元へ持っていき、報酬を貰うまでが彼の仕事です。

 葬られることもなく、悼まれることもなく、ただ眉を顰められ朽ち果てるだけのその死体を掃除し、名前を持っていた頃の彼彼女達を欲している者達に届け、報酬を貰う。
 非常に理に適った仕事だ、と彼はいつも言っていました。

               ◇◇◇◇◇◇

「で、その金をまたうちに落としていくのかい。あんまり嬉しくない儲けだねえ」
「そう言うなよ。同じ穴の貉だろ?」
 行きつけの店であるカフェ『えふかといれこょち』で、陸は店主の藤井 都古(みやこ)と話していました。奥で仕事をしている特異者のアルバイトエフカ・アーニャ も興味があるのか手を止めて2人を見ています。
「今日は良い情報はあるか? 新しい情報が欲しいんだよ」
 店主の都古は、セフィロトの情報屋でもあります。陸が甘いものだらけのこの店に通うのは、チョコが目的というより彼女の情報が目的でした。彼女は何故か、国内のコアな情報をその頭にインプットしているのです。
 まあ、チョコも食べるしココアも飲みますが。
「良い情報ねえ……屍鬼の情報なら、ないこともないよ」
「本当か、いくらだ?」
 身を乗り出す陸に、都古はさらりと金額を告げます。陸は、封筒の中から3分の1程を彼女に渡しました。
 紙幣の束を受け取ると、都古は話し始めます。
「イーストキャピタルの外れに、公立中学校の廃校舎があるのは知ってるかい? そこで、多数の屍鬼の目撃証言がある」
「多数……校舎の周りにうろついてるってことか?」
「いや、周りにもいるけど、主に中に。窓の外から、うじゃうじゃいるのが見えるらしいよ。恐らく、そこで飼ってるんだろうね」
「うじゃうじゃ……数は?」
「100体以上は軽く居るようだよ。ああ……あんたの言い方だと100人、か」
「100人……そこに行けば、捜索願が出されている行方不明者も大勢見つかりそうだな。だが……さすがに1人じゃ厳しいか」
「手伝いを頼んだらどうだい?」
「手伝い?」
「そこにいる女の子。ちょっと特殊な能力者でね。彼女に頼めば、協力者をたくさん集めて貰えるんじゃないかい?」
「えっ! 私ですか!?」
 いきなり話を振られ、エフカが驚いて声を上げます。それを胡散臭げに、陸は見ました。
「特殊な能力? 人を集める能力でも持ってんのか?」
「ち、違いますけど……」
 慌てながらも、エフカは紫藤 明夜の顔を思い出します。
「事情を話せば……協力者は集まると思います。でも、死体の回収というのは……ちょっと……」
「死体の回収じゃない。『行方不明者を探して親類知人に届ける仕事』だ。それに、回収だけじゃない。動いてたら、殺して運ばないといけない。死体は、まとめてトラックに乗せるけどな」
「…………」
 エフカは黙ったまま、難しい顔で考え込んでいました。それから、言います。彼女の口調には、若干の嫌悪感が混じっていました。
「『行方不明者を探して親類知人に届ける仕事』って皆に説明するんですか?」
「そこはご自由に。それが嫌なら、正直に全て話せばいい。人が集まらなかったら、他をあたるだけだ」
「…………」
「でも、仮に廃校舎の屍鬼達を全員運んだとして……中には捜索願が出されていない、親類知人とやらが分からない死体もあるんじゃないかい? それは、どうするんだい?」
 エフカが黙る中、都古はそう陸に訊ねました。金にならない死体を集めても、仕方がないだろうということです。
「それは、シルベに任せるさ。燃やし、埋葬してもらう」
 シルベというのは、黒中 印(しるべ)という葬儀屋の俗称です。彼は、数少ない屍鬼の埋葬を行っています。
「埋葬……するんですか?」
 意外そうに目を丸くするエフカに、陸は何てことなさそうに答えます。
「その辺に捨てても邪魔だし臭いし迷惑になんだろ。結局、埋葬すんのが一番いいんだよ。俺が死体を届けた家族も、結局シルベんとこで葬儀をするしな。他に処理する方法なんかねえ」
「処理……」
 また、エフカが嫌悪感を滲ませます。
「ねえエフカ、ちょっと考えてみてくれないか。あんた達にとっても、いい経験になると思うよ。ただ気持ち悪い、胸糞悪いだけの仕事じゃ終わらないさ。多分ね」
「…………」
 エフカはむぅ、とした顔で都古と目を合わせ、しばらくにらめっこを続けます。
「終わった後は、ここで皆にごちそうしてやるからさ。チョコ以外も、この男のおごりで」
「……俺のおごり?」
 それを聞いて、陸は怪訝な顔をしましたが都古は意に介しません。エフカも、そこは気にしませんでした。
「……わかりました。都古さんがそこまで言うなら……」
 ごちそうにつられたわけではありません。ですが、確かに、何かを感じることができるかもしれない。
 そう思ったエフカは、しぶしぶ明夜に話を持ち掛けることを決めました。


 そして、その数日後――
 エフカと陸は、集まった特異者達と共に、廃校舎の前に立っていました。
 行方不明者達の顔写真をその手に持って。


担当マスターより

▼担当マスター:沢樹一海

マスターコメント

お久しぶりです。沢樹一海です。

今回は、イーストキャピタルのはずれにある廃校舎に、屍鬼を倒しに行くお仕事です。倒した後はその死体を運び、生きていた場所に帰します。
死体は、陸が借りたトラック数台に乗せられます(運転手が足りない場合はNPCで補われます)。
その後、残った屍鬼を埋葬し、『えふかといれこょち』で慰労会のようなものをやります。
ここまでが、シナリオの内容となります。

※屍鬼は全て倒します。生きたまま連れ帰ることはいたしません。

※屍鬼を倒す段階で、特異者達は、廃校舎に1人居る吸血鬼と会うことになります。吸血鬼が何故、廃校舎に屍鬼を集めているのか、その理由について考えてみてください。

※このシナリオのローカルルールといたしまして、ダブルアクションを許可します。
※トリプルアクション以上は没になる可能性がぐいんと高まりますので、ご注意ください。

☆簡単なNPC紹介☆

・乱藤 陸
36歳。屍鬼専門の賞金稼ぎ。仕事の最中はあまり表情を動かさない。冷静。仕事以外の時は割とフランク。かも。       

・エフカ・アーニャ
ほやほや特異者の少女。バトルは苦手。でもやる。今回の件にはあまり乗り気ではない。

・藤井 都古(みやこ)
27歳。カフェ『えふかといれこょち』店主兼情報屋。

・黒中 印(しるべ)
25歳。若き葬儀屋。屍鬼の死体の埋葬、葬儀も受け付けている。

以上になります。
よろしくお願いいたします。


屍鬼を倒す

1

吸血鬼と対峙する

3

屍鬼をトラックに乗せる

1

慰労会に参加する

1