三千界のアバター

ユグドラシル

凛冽を往く

リアクション公開中!

凛冽を往く
基本情報

マスター:携帯砲
ワールド:ユグドラシル
 
 

料金

MC参加:100ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:4
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2017年01月11日公開!

シナリオガイド

小国の和平にご助力を!

シナリオ名:凛冽を往く / 担当マスター:携帯砲


 そのお城は、ユグドラシルでも、ひときわ寒いところにありました。

「姫様、ルカ姫様!」

 壮齢とおぼしき屈強な大男が、だだっ広い廊下を駆け、侍従を伴った貴人を大声で呼び止めました。
 軍式の礼装を身に着けているその男は、この樹冠都市の騎士団をまとめる将軍で、アドラーといいました。
 そのアドラーを見とめた女性は、鎧めかしたドレスをひるがえし、フンと鼻を鳴らしてそれに答えます。

「どうした、アドラー」

 鋭い目つきと力のみなぎった声が、気の強さを物語ります。
 威厳と典雅が絶妙に同居するドレスと、オリーブ油で梳いたかぐわしい髪、そしてそれらに負けない美しい目鼻立ちは、見るものを射すくめる凄みがありました。
 彼女こそ、この樹冠都市ランベルトが姫御前、ルカでありました。
 弱冠十七歳にして、領主ランベルト侯を陰日向から支える右腕として、八面六臂の働きを見せています。
 しかしながらいささか無鉄砲なきらいもあり、アドラー将軍は、老婆心からしばしば苦言を呈してきました。

ブルクハルトとの調印式に、御自らお向かいになるというのは……」
「ならば、私以外の誰が務まるというのだ」

 隣りあう樹冠都市ブルクハルトは、ランベルトよりも、さらに寒く、厳しい土地です。
 その気候と険しい道のりから、商人たちは行くことを嫌がり、ランベルトと比べいまだ貧しい状態にありました。
 そのためブルクハルトでは、先んじて有利な通商権を得たランベルトに対し、戦争の機運が高まっていたのです。
 しかしそれを早くにさとったルカ姫は、応戦の準備を進めていた父をいさめ、隣国との交易を強めることで戦争を回避しようとしていました。

「危のうございます! 今のブルクハルトは、飢えた痩せ犬も同じでございます」
「なればこそ、犬同士、腹を割ることが肝要ではあるまいか」

 ルカ姫のその竹を割ったような物言いに、アドラーは苦虫を噛み潰したような顔をしています。
 しかしとうのルカはどこ吹く風とばかりに、謁見の間に向かって歩みを進めました。

「しかし、このアドラーめは、姫様の御身を案じ申しておりますが故に……」
「それならば、心配はいらぬ」

 しつこくも思えるアドラーの忠言を制して、ルカは豪奢なマントを羽織りました。この都市の象徴である、地平線から昇る太陽の刺繍が入っています。
 侍従が扉を叩いて合図し、それにこたえた紋章官が口上を読み上げる間、ルカは、侍従に任せてドレスや髪を整えます。
 どうやら普段の商売事ではなく、賓客と会う席のようであると、アドラーはあたりを付けました。
 そして、鉄靴を履いているとは思えぬ軽やかな足取りで、ルカ姫が歩みを進めると、アドラーはその後ろに従い、謁見室へと向かいました。

「このような田舎まで、よくぞ参られた。領主にして我が父、ランベルト侯爵の名のもとに、あなたを歓迎しよう」
「お心遣い、痛み入ります」

 ルカの言葉に恭しく礼をしたのは、川端 詩織でした。
 玉座に腰かけたルカは、ねぎらいの言葉とともに、ハチミツ湯を侍従に持たせました。
 詩織は、ワールドホライゾンの仲間たちに協力を仰ぐ橋渡しの任を帯び、このユグドラシルの辺境へと足を運んだのです。
 その異装から、アドラーは彼女がひとかたならぬ人物であると見抜き、かすかに眉根を寄せました。
 しかし、ルカ姫はそれに動ずることなく、溌溂と詩織に言います。

「知っての通り、私は、隣国ブルクハルトとの貿易協定――事実上の和平を結ぶ調印式に向かう。
 それにあたり、あなたには、道中の護衛をお手伝いいただきたいのだ

 ルカ姫の改めての依願に、詩織は頷きました。

「承りました。仲間にも、声をかけてみましょう」
「ありがとう、よろしく頼む」

 立ちあがったルカと詩織は、固く握手をしました。
 ――それを見ていたアドラーは、やはり苦々しい顔をしておりました。
担当マスターより

▼担当マスター:携帯砲

マスターコメント

 寒気厳しき折柄、いかがお過ごしでしょうか。
 携帯砲と申します。

 このたびのシナリオガイド「凛冽を往く」は、
 寒くうらさびしい雪国のお話でございます。
 戦争の火種を治めるべく奔走する、若き王女の助太刀をお願い申しあげます。

◆要件
 敏腕王女のルカ姫は内外に敵が多く、隣国へ向かうにも一苦労。
 そこでみなさんには、いくつかのチームに別れ、彼女を護衛していただきたいのです。
 舞台は、ユグドラシルの中でも寒く貧乏なド田舎。ボロボロの定期船や吊り橋を、おっかなびっくり進まなければいけません。
 息も凍る凛冽の地にて、皆様のご活躍を期待しております!

◆状況
 ・ランベルトは近年、樹液資源の貿易によって豊かになり始めた樹冠都市です。
 ・しかしそれが、隣りあう樹冠都市ブルクハルトの国民感情を刺激し、戦争に向かわせています。
 ・そこで、領主の娘にして外交官たるルカは、ブルクハルトに貿易をもちかけ、戦争を回避しようとしています。
 ・しかし、反感を持つブルクハルト国民や、戦争によってうまみを得るランベルト国民もおり、中には姫の暗殺をもたくらむ輩もいるのだとか。
 ・万が一、ルカ姫が暗殺されるようなことがあれば、弔い合戦によって、共倒れは必至でしょう。
  そのためルカ姫は、第三勢力である特異者、つまり皆様に協力を仰ぐことにしたのです。

◆手段
1:密使の護送:難易度2
 ブルクハルトへ送った使いが、道中の宿場で待機しています。
 まずはこれを守り、ルカ姫のもとまで送り届ける必要があります。
 道中ではヴァイキングなどに襲われることが予想されますので、守りながら戦う能力が求められます。
 ブルクハルトとの連絡船に乗っている間などは、特に注意が必要でしょう。
 
2:行軍の護衛:難易度4
 ブルクハルトへ向かう道中を警戒し、ルカ姫とその随行者を守ってください。
 ランベルトに敵意を持つものは少なくありません。連携を密に戦うことで有利となるでしょう。
 火力と機動力を、存分にふるって戦ってください。
 街中はもちろんですが、そこからブルクハルト城への道は、特に人通りがなく警戒すべきでしょう。

3:ルカ姫の警護:難易度3
 「敵は内側にもいる」というのがルカ姫の大きな懸念であり、これは内密の頼みとなっています。
 叛意を持つものはどこにいるかわかりませんので、ルカ姫に付ききりで警護をしてください。
 しかしながら、身内を相手に大立ち回りをするのも、王族の旅として穏やかではありません。
 とくにブルクハルト城への「渡り籠」(いわゆるロープウェイのような乗り物)は、全くの密室であるうえ、派手に動くと籠ごと落ちる危険さえあります。
 静かに戦い、無力化する能力が求められるでしょう。
 

密使の護送

2

行軍の護衛

4

ルカ姫の警護

3